去年の11月、佐和田の浜の近くで洗濯物を干していたら、道路の向こうから拍手と指笛が聞こえてきました。第4回17ENDハーフマラソンの日でした。ゼッケンをつけたランナーたちが、青い海を背にして次々と白鳥崎の方へ駆けていく。ふだんは牛とサトウキビ畑しかない静かな島の道が、この日だけは応援の声でいっぱいになります。
正直に言うと、私は走るのが得意ではありません。それでも沿道で見ているうちに「来年はエントリーしようかな」と本気で考え始めていました。それくらい、このコースの景色は反則なんです。
この記事では、2026年11月8日(日)開催の「スカイマークPresents 第5回宮古島市17ENDハーフマラソン in 伊良部島大会」について、大会概要とコース、そしてコース沿いに点在する観光スポットまで一気にまとめました。17ENDハーフマラソンのエントリーは7月1日にもう始まっています。走りたい人にも、家族の応援で島に来る人にも、旅の計画に役立つはずです。
- 17ENDハーフマラソン2026の開催日・種目・参加費・定員
- 3つのコース(21km・8km・2km)の特徴と制限時間
- コース沿いの絶景観光スポット5選(17END・渡口の浜・白鳥崎など)
- エントリー方法と宿・アクセス・11月の気候のリアル
17ENDハーフマラソンとは?2026年大会(第5回)の概要

17ENDハーフマラソンは、宮古島市と宮古島市教育委員会が主催する市民マラソン大会です。正式名称は「スカイマークPresents 第5回宮古島市17ENDハーフマラソン in 伊良部島大会」。2022年の第1回から回を重ねて、2026年で5回目になります。
大会名の「17END」は、下地島空港の滑走路北端のこと。滑走路の方位番号「17」の端(END)という航空用語で、干潮のときだけ現れる砂浜と、青のグラデーションで知られる絶景スポットです。その17ENDを含む下地島・伊良部島の海沿いを走れるのが、この大会最大のごほうびだと思っています。
タイトルスポンサーはスカイマーク。羽田や神戸から下地島空港へ直行便を飛ばしている、あの航空会社です。飛行機を降りて10分で大会会場に着く離島レースって、全国を探してもそうそうありません。「島外から走りに来てもらう」ことを最初から想定して作られた大会、という言い方もできそうです。
2026年大会の基本情報を先にまとめます。
| 開催日 | 2026年11月8日(日) |
| 会場 | 伊良部平成の森公園(宮古島市伊良部屋外運動施設)スタート&ゴール |
| 種目 | Aコース21km/Bコース8km/Cコース2km |
| スタート | B・Cコース8:00/Aコース8:30 |
| 制限時間 | Aコース12:00まで/Bコース9:30まで |
| 定員 | Aコース1,000名/Bコース600名/Cコース400名 |
| 申込期間 | 2026年7月1日〜8月31日(スポーツエントリー) |
| 参加賞 | 記念Tシャツ |
| 主催 | 宮古島市・宮古島市教育委員会(協賛:スカイマーク株式会社) |
参加費は種目と区分で変わります。Aコース(21km)は一般6,000円・高校生3,000円。Bコース(8km)は一般5,000円・高校生3,000円・中学生2,000円・小学生以下1,000円。Cコース(2km)は一般・高校生3,000円・中学生2,000円・小学生以下1,000円です。都市部の大きな大会と比べると、ずいぶん良心的な設定ですよね。
規模感でいうと、第4回大会(2025年11月9日)は3コース合計で1,918人がエントリーし、1,763人が完走。完走率は97%を超えました。Aコースの優勝タイムは男子1時間18分31秒、女子1時間30分58秒。エリートだけの大会ではなくて、島の子どもたちから旅行がてらのランナーまで、いろんな人が混ざって走るゆるやかな空気があります。
沿道で見ていて印象的だったのは、応援の距離の近さでした。集落の前ではおばあたちが椅子を並べて座っていて、通るランナー全員に声をかける。子どもがハイタッチの列を作る。都市型の大会の「沿道の人垣」とは違う、名前も知らない者同士なのに妙にあたたかい距離感です。人口数千人の島に約2,000人のランナーが来るのだから、島全体が大会一色になるのも当然かもしれません。
17ENDハーフマラソンのコース紹介|3種目とも平成の森公園発着
3つのコースはすべて伊良部平成の森公園がスタート&ゴール。距離も雰囲気もかなり違うので、自分の脚と相談しながら選んでください。なお、コース図や交通規制の詳細は毎年更新されるので、最終確認は必ず大会公式サイトのコースページでどうぞ。
Aコース(21km)|渡口港から下地島外周を走り白鳥岬で折り返す
メインのハーフマラソンです。平成の森公園を出て渡口港へ向かい、そこから下地島の外周道路へ。島の西側の海沿いを北上して、伊良部島側に戻って白鳥岬(白鳥崎)で折り返します。対象は高校生以上。
コースの大半が海のすぐ横。渡口の浜の白い砂、下地島西岸のリーフ、そして17ENDエリアの、あの現実味のない青。応援側から見ていても「この区間だけ走らせてほしい」と思う道の連続です。
ただ、いいことばかりでもなくて。海沿いは日陰がほとんどなく、11月でも晴れれば日差しはしっかり夏の名残です。それと風。島の風は遮るものがないので、向かい風の区間は体感がまるで変わります。往路で背中を押してくれた風は、折り返せば正面から来る。白鳥岬で折り返した瞬間に「あ、ここから本番だ」と気づく人、毎年けっこういるはずです。
救いは地形です。伊良部島も下地島も高い山がなく、コースはおおむね平坦。心臓破りの坂みたいな仕掛けはありません。制限時間はスタート8:30から12:00まで、ざっくり3時間半。1kmを10分ペースで進めば間に合う計算なので、市民ランナーにはかなり優しい設定です。景色に足を止めたくなる誘惑にさえ勝てれば、ですが。
Bコース(8km)|下地島外周道路で折り返すショートコース
平成の森公園から下地島外周道路に入ったところで折り返す8km。対象は小学生以上で、5才以上の未就学児も保護者同伴なら参加できる規定があります。スタートは8:00、制限は9:30まで。
「ハーフはまだ怖いけど、雰囲気は味わいたい」という人にちょうどいい距離。親子で並んで走る姿が多いのもこのコースです。8kmって、走ってみると意外と達成感がありますよ。制限は1時間半ですから、キロ11分ペースまで許容。小学生の脚でも、途中歩きを挟みながら十分ゴールできます。
Cコース(2km)|てぃだの郷方面で折り返すラン&ウォーク
平成の森公園からてぃだの郷方面へ向かい、折り返して戻ってくる2km。年齢制限がなく、走っても歩いてもOKの種目です。ベビーカーのご家族から、おじい・おばあまで。完走の記念Tシャツは全種目共通なので、「家族全員で参加してTシャツをおそろいにする」なんて楽しみ方もできます。
コース沿いの観光スポット5選|17ENDも渡口の浜も走る前に下見したい
この大会のコースは、伊良部島・下地島の観光ハイライトをそのままなぞるように設定されています。だから前日入りしたら、レンタカーでコースを一周してみてほしいんです。伊良部島と下地島はあわせても車で1時間ほどで回れる大きさ。信号もほとんどないので、受付や買い出しのついでに気軽に下見できます。翌日走る道の景色を知っているだけで、当日のつらい区間がちょっとしたご褒美区間に変わるので。ここではコース沿いの5スポットを、走る順番どおりに紹介します。
渡口の浜|スタート直後に横切る白砂ビーチ

Aコース序盤で通る渡口港のすぐそばにあるのが、伊良部島を代表するビーチ・渡口の浜。約800m続く砂浜は、砂がきめ細かくて素足で歩くと気持ちいいこと。「日本のビーチで一番好き」と言う友人もいるくらいで、弓なりの海岸線に立つと、正面には宮古島と伊良部大橋まで見渡せます。駐車場やトイレも整っているので、下見にも寄りやすい場所です。
レース中は横目に見るだけになりますが、ゴール後のクールダウン散歩には最高の場所。火照った足首まで海に浸けて、砂の細かさを踏みしめて帰るのが私の定番です。詳しくは渡口の浜の魅力を解説した記事にまとめています。
通り池|下地島外周道路沿いの神秘スポット

下地島外周道路の途中にある通り池は、海と地下でつながった2つの池。国の名勝・天然記念物で、のぞき込むと吸い込まれそうな深い群青色をしています。竜宮伝説の残る場所で、昼でも少しひんやりした空気が漂う不思議なスポットです。世界中のダイバーが潜りに来る海中洞窟の名所でもあって、水面の静けさと水中の賑わいのギャップも面白いところ。
レース中に池そのものは見えませんが、コースは池のすぐ近くの道路を通ります。前日の下見なら、駐車場から遊歩道を15分ほど歩くだけ。通り池を訪れたときの記事で、あの独特の空気感を書いています。
17END|大会名の由来になった下地島空港北端の絶景
下地島空港の滑走路北端に広がる17ENDは、この大会の名前の由来そのもの。エメラルドの海に誘導灯の桟橋がまっすぐ伸びる光景は、何度見ても現実感がありません。干潮のタイミングが合えば、沖まで真っ白な砂浜が現れます。逆に満潮だと砂浜は海の下。同じ場所なのに、潮位ひとつで別世界になります。下見に行くなら、その日の干潮時刻を調べてからが鉄則です。
ふだんこのエリアの管理道路は車両進入禁止で、歩くか自転車で行くしかない場所。風向きによっては、着陸する飛行機が頭の上を低く横切っていきます。走りながらこの区間を通れるのは、大会参加者だけの特権です。ちなみに滑走路の反対側、南の端は「35END」と呼ばれていて、こちらは飛行機がより間近に感じられる別の穴場。マニアックな話は置いておくとして、17ENDの現実的な注意点(駐車場から徒歩15分・日陰なし・売店なし)は、こちらの記事で正直に書きました。
佐和田の浜|巨岩が並ぶ遠浅の海と夕日の名所

コース終盤、伊良部島側に戻ってくると佐和田の浜が待っています。遠浅の海に大小の岩がごろごろ並ぶ独特の風景は「日本の渚百選」にも選ばれたもの。岩は1771年の明和の大津波で運ばれたと伝わっていて、知ってから眺めると少し背筋が伸びます。走りながら見ると、岩のシルエットが妙に生き物っぽくて、疲れた頭には効く景色です。
ここは昼より夕方が本番。潮が引いた水鏡に夕日が落ちる時間は、島でも一番と言っていい夕景になります。昼に行って後悔した体験談のとおり、レース後の夕方にもう一度来るのがおすすめです。完走の余韻と一緒に見る夕日は、たぶん一生ものですよ。
白鳥崎(白鳥岬)|Aコースの折り返し地点

ハーフの折り返し地点になっているのが、西海岸公園の白鳥崎(大会表記は白鳥岬)。観光ルートからは少し外れた穴場で、ゴツゴツした琉球石灰岩の海岸に濃い青の外海がぶつかる、伊良部島でも指折りの荒々しい景色が見られます。東屋と遊歩道が整備された小さな公園で、ふだんは釣り人と、夕日を待つ数組がいるだけの静かな場所です。
大会当日、ここが21kmの折り返し。「折り返してすぐ帰るだけではもったいない」と毎回思うので、ぜひ後日ゆっくり再訪してください。白鳥崎の記事で、サンセットの狙い方まで詳しく紹介しています。
エントリー方法と宿・アクセスの実践アドバイス
ここからは「出よう」と決めた人向けの実務の話。先に結論だけ言うと、エントリーより宿と飛行機の確保のほうが難易度が高いです。
エントリーは8月31日まで・スポーツエントリーから
申込はスポーツエントリーの大会ページから。期間は2026年7月1日〜8月31日です。各コースに定員(A1,000名・B600名・C400名)があるので、迷っている人は枠があるうちに決めてしまうのが安心です。参加資格はAコースが高校生以上、B・Cコースは前述のとおり。高校生以下の参加には保護者の同意が必要です。
受付方法や駐車場の案内は、大会公式サイトで順次公開される予定になっています(2026年7月時点では準備中の表示でした)。エントリー後は放置せず、秋口に一度公式サイトを見直すのを忘れずに。大会についての問い合わせ先は宮古島市役所スポーツ振興課です。
ちなみに練習はどうするか。11月の大会は、暑さが抜けきらない9〜10月に走り込むことになります。本土在住なら涼しくなっていく時期なのでむしろ好都合。「週2回、直前月に10km走を2本」あたりが、3時間半の制限に間に合わせる現実的なラインだと思います。走歴の長い友人には「島の景色が勝手に脚を動かしてくれるから大丈夫」と言われました。半分は本当です。
宿はエントリーと同時に押さえる
伊良部島の宿は、大型ホテルが少なく民宿やヴィラが中心。もともと部屋数が多くない島に約2,000人規模の大会参加者と応援団がやって来るわけで、大会前夜の宿は当然争奪戦になります。私のおすすめは、エントリーを済ませたその日のうちに宿も予約してしまうこと。「あとで比較してから」と寝かせている間に、手頃な民宿から順に消えていきます。
島内が埋まっていても、宮古島本島側に泊まって当日車で会場入りする手もあります(宮古空港から会場まで車で約40分)。ただ、できるなら伊良部島泊を推したい。理由は単純で、スタート前の朝、宿から会場までの数分の道すがら、朝焼けの海を見ながら気持ちを作れるからです。民宿なら、おかみさんが「がんばってねー」と送り出してくれるおまけ付き。島の宿選びは伊良部島の宿事情の記事が参考になるはずです。
アクセス|下地島空港から車で約10分

会場の平成の森公園へは、みやこ下地島空港から車で約10分、宮古空港からは伊良部大橋経由で約40分。大会に協賛しているスカイマークが羽田・神戸などから下地島への直行便を運航しているので、本土からのアクセスは見た目より簡単です(運航期間・ダイヤは時期で変わるため要確認)。島内の移動はレンタカーがほぼ必須。台数に限りがあるので、これも飛行機とセットで早めに。
細かい話ですが、レースシューズは預け荷物ではなく機内持ち込みにしておくと安心です。荷物の到着が万一遅れても、シューズとウェアさえ手元にあればレースは走れます。逆パターンで泣いた話を大会あるあるとしてよく聞くので、念のため。

宮古島側から向かうなら、全長3,540mの伊良部大橋を渡る瞬間もお楽しみのひとつ。詳しい行き方は、飛行機・車・バスをまとめたアクセスガイドをどうぞ。
11月の気候と持ち物|半袖ラン+日差し対策が基本
11月上旬の宮古島地方は平均気温23℃前後。本土の10月初め、いやそれよりも暖かいくらいで、走る服装は半袖と短パンで十分です。ただし日差しと風は別問題。海沿いは日陰が皆無なので、キャップとサングラス、日焼け止めは11月でも現役です。当日の天気は気象庁の天気予報で直前チェックを。雨より風の予報を見るのが島流です。
持ち物で足すなら、スタート前の待ち時間用に薄手の羽織りをひとつ。朝8時台の会場は風が抜けると肌寒く感じることがあります。それとゴール後の着替えとタオル。汗が引いた体に11月の海風は、真夏の感覚でいると少しこたえます。走り終えたら早めに乾いた服へ、が快適に過ごすコツです。
よくある質問(FAQ)
Q. マラソン初心者ですが、Aコース(21km)を完走できますか?
A. 制限時間はスタート8:30から12:00までの約3時間半で、1kmを10分ペースでも間に合う計算です。ふだん5〜10km走れる人なら現実的な目標になります。不安なら8kmのBコースで島の空気を味わって、翌年ハーフに挑戦する順番も良いですよ。
Q. エントリーはいつまでですか?
A. 2026年7月1日から8月31日まで、スポーツエントリーで受付です。各コースに定員があるため、期限前でも枠が埋まる可能性は頭に入れておいてください。
Q. 大会当日、コース周辺の観光はできますか?
A. レース時間帯はコースにあたる道路で交通規制が行われる可能性があります。当日の午前中に17ENDや下地島外周へ車で行く計画は避けて、観光は前日か当日午後に回すのが無難です。規制の詳細は大会公式サイトの発表を確認してください。
Q. 子どもと一緒に参加できますか?
A. できます。Bコース(8km)は小学生以上が対象で、5才以上の未就学児も保護者同伴で参加できる規定があります。Cコース(2km)は年齢を問わず、歩いての参加もOK。家族で出て記念Tシャツをおそろいにするのも楽しいです。
Q. 走らずに応援だけでも楽しめますか?
A. 楽しめます。むしろ応援側の自由度は高くて、車の使えない規制時間帯を避けつつ、会場のスタートの熱気→沿道→ゴールの感動、と良いとこ取りができます。私も最初は応援側でしたが、翌年のエントリーを決めるくらいには楽しかったです。
Q. 11月の伊良部島の海で泳げますか?
A. 泳げる日もあります。水温はまだ25℃前後ありますが、風が出ると体感は一気に下がるので、ラッシュガードがあると安心です。レース翌日に渡口の浜で足だけ浸かる、くらいがちょうど良い季節ですね。
まとめ|走る旅の計画は「エントリー・宿・飛行機」の3点セットで
17ENDハーフマラソン2026のポイントをおさらいします。
- 開催は2026年11月8日(日)、伊良部平成の森公園スタート&ゴール
- 種目は21km・8km・2kmの3コース、エントリーは8月31日まで
- コースは渡口の浜・通り池・17END・佐和田の浜・白鳥崎と絶景の連続
- 宿とレンタカーと飛行機は、エントリーと同時に確保が鉄則
- 走らない人も、沿道の応援と前後の島観光で十分楽しめる
それと、走った人へのご褒美の話をひとつ。伊良部島は昔からカツオ漁の島です。ゴール後に佐良浜の食堂で食べる新鮮なカツオの刺身と、汗をかいた体に染みる宮古そば。21km分のカロリーを気兼ねなく取り戻せるのは、走った人だけの権利です。私はこれを目当てに走る人を何人か知っています。
大会の楽しみは当日だけでは終わりません。前日にコースを下見して、翌日は筋肉痛の脚で夕日の佐和田の浜へ。せっかく伊良部島まで来るなら、「何もない」を楽しむモデルコースと組み合わせて、走って、食べて、ぼーっとする2泊3日にしてみませんか。11月の伊良部島は、走る人にちょうどいい島です。ゴールの先で、また島のどこかですれ違えたらうれしいです。


