伊良部大橋封鎖と停電への備え
初めて伊良部島で台風を経験した時、ホテルのフロントスタッフから「明日、伊良部大橋が封鎖される可能性があります」って説明を受けて「え、封鎖?」って驚いた瞬間から、離島での台風の重大さを実感し始めていた。
「暴風警報が出ると橋が通れなくなって、宮古島に渡れなくなります」って聞いて「じゃあ、どうするんですか」って聞いたら「台風が過ぎ去るまで島で待つしかありません」って答えられて、初めて島が完全に孤立するっていう事態を理解した。
都会で台風を経験するのとは全く違っていて、橋が封鎖されたら買い物にも行けないし、病院にも行けないし、飛行機にも乗れない。完全に孤立した状態で台風をやり過ごすしかないっていう現実が、離島での台風の厳しさを物語っている。
台風接近時の伊良部島生活について、実際に何度も台風を経験した経験をもとに詳しく紹介していく。伊良部大橋の封鎖基準、停電への備え、過ごし方、ホテルの対応について書いていくので、台風シーズンに伊良部島に滞在する予定がある人はぜひ参考にしてほしい。
伊良部大橋は暴風警報で通行止めになる
台風が近づくと伊良部大橋が封鎖されて、伊良部島と宮古島を行き来できなくなる。この橋の封鎖が、島民にとっても観光客にとっても、台風対応の最大のポイントになる。

風速25m/秒が通行止めの目安
沖縄県の資料によると、暴風警報が発令されて風速25m/秒の風が吹くと、交通規制により伊良部大橋は通行止めになる。風速25m/秒っていうのはかなり強い風で、立っているのが困難なレベルで、木が折れたり看板が飛んだりする危険な状態だ。
伊良部大橋は海上を渡る全長3,540メートルの橋だから、強風時の走行は非常に危険になる。軽ワゴン車など軽くて高さのある車は、横殴りの風にあおられて転倒しそうになるほどで、橋の安全を考えて暴風警報発令時には必ず通行止めになる。
約2時間前に事前連絡がある
ゲートを閉める際には約2時間前に事前連絡が行われて、マスコミや防災無線で「午後4時に伊良部大橋を封鎖します」っていう告知が流れる。2時間っていうのはギリギリの時間で、伊良部島にいる人は宮古島に渡るか島に残るかを決めなきゃいけないし、宮古島にいる人は伊良部島に渡るか宮古島に残るかを判断しなきゃいけない。
私も一度、封鎖の2時間前に連絡を受けて、どうするか迷った経験がある。結局島に残ることにしたんだけど、その判断が正しかったかどうかは台風が過ぎるまで分からないっていう不安があった。
封鎖作業は約20分で完了
封鎖作業は約20分で完了して、県宮古土木事務所の職員が宮古島側のゲートを閉鎖した後に伊良部島側を閉鎖する。作業が完了したら、それ以降は誰も通れなくなって、島は完全に孤立した状態になる。
実際に封鎖作業を見たことがあるけど、職員の方々が慣れた手つきで素早くゲートを閉めていく様子は、これまで何度も同じ作業を繰り返してきたんだろうなって感じさせるものがあった。
通行止めは77時間に及ぶこともある
2021年の台風6号では、伊良部大橋、来間大橋、池間大橋の通行止めが77時間に及んだ。21日午前9時から通行止めとなって、24日午後に解除されたから、3日以上も橋が通れなかった計算になる。
77時間っていうのは想像以上に長くて、その間は完全に島に閉じ込められた状態になる。ガソリンスタンドの従業員が「3日間休んでいた」って話していたように、島の経済活動もストップする。
台風接近時の情報入手が生命線
台風接近時は正確な情報を得ることが何より重要で、情報がないと適切な判断ができない。
気象庁のウェブサイトで最新情報を確認
気象庁のウェブサイトで台風情報をこまめに確認することが基本で、特に宮古島地方気象台のページでは台風の進路、予想される最大風速、降水量などの詳細な情報が得られる。
私も台風が近づいている時は、1時間おきくらいにこのサイトをチェックして、台風の進路や勢力の変化を追っていた。予想進路が少し変わるだけで、伊良部島への影響が大きく変わることもあるから、最新情報の確認が欠かせない。
宮古島市の防災メール配信サービス
宮古島市の防災メール配信サービスに事前登録しておくと、暴風警報の発令、伊良部大橋の封鎖情報、避難指示などがリアルタイムでメールで届く。これがめちゃくちゃ便利で、自分から情報を取りに行かなくても、重要な情報がプッシュ通知で入ってくる。
旅行で訪れる場合でも、滞在期間中だけでも登録しておくと安心だ。登録は簡単だから、伊良部島に到着したらすぐに登録することをおすすめする。
防災無線とテレビ・ラジオ
伊良部島の各集落には防災無線のスピーカーがあって「暴風警報が発令されました。伊良部大橋は午後4時に封鎖されます」っていう情報が流れる。ホテルや民宿の中にいても聞こえるから、外出していなくても情報が入ってくる。
テレビやラジオでも台風情報が流れるから、複数の情報源を持っておくことが大切だ。インターネットが使えなくなった時のために、テレビやラジオも活用できるようにしておく。
停電への備えは必須
台風時は停電する可能性が高いから、事前の備えが重要になる。

懐中電灯とモバイルバッテリー
停電に備えて懐中電灯とモバイルバッテリーは必須アイテムで、ホテルでも用意してくれることが多いけど、自分でも持っておいた方が安心だ。スマホのライトも使えるけど、バッテリーを消費するから、専用の懐中電灯があった方がいい。
モバイルバッテリーはフル充電しておいて、スマホも満充電にしておく。停電が長引くと充電できなくなるから、台風が接近する前に必ず充電しておくことが大切だ。
飲料水と食料の確保
停電すると水道が止まることもあるから、飲料水をペットボトルで確保しておく。ファミリーマート宮古伊良部店で買えるうちに買っておくのがいい。台風直前は品薄になることもあるから、早めの行動が重要だ。
食料も同じで、カップ麺、パン、お菓子など、調理しなくても食べられるものを用意しておく。ホテルに滞在している場合は食事の提供があるけど、念のため自分でも食料を持っておくと安心だ。
浴槽に水を溜めておく
停電で断水する可能性があるから、浴槽に水を溜めておくと、トイレを流したり手を洗ったりするのに使える。飲料水としては使えないけど、生活用水として役立つ。
私も台風前には必ず浴槽に水を溜めるようにしていて、実際に断水した時に助かった経験がある。
現金を用意しておく
停電するとATMが使えなくなるし、クレジットカードの端末も動かなくなるから、現金を用意しておくことが重要だ。台風が来る前にATMで現金を引き出しておいて、財布に入れておく。
キャッシュレス決済が普及しているとはいえ、停電時は現金しか使えないから、最低でも1万円くらいは用意しておきたい。
台風時の過ごし方
台風が接近している時は外出できないから、ホテルや民宿の中で安全に過ごす必要がある。
窓から離れた場所にいる
台風の風で窓ガラスが割れる可能性があるから、窓から離れた場所にいることが大切だ。特に最も風が強くなる時間帯は、部屋の中央やバスルームなど、窓のない場所に避難した方がいい。
私も一度、窓ガラスが激しく揺れる音を聞いて怖くなって、バスルームに避難したことがある。実際には窓は割れなかったけど、万が一を考えて安全な場所にいることが重要だ。
外出は絶対にしない
台風の最中に外出するのは絶対に避けるべきで、風で飛んできた物に当たったり、風にあおられて転倒したり、危険がいっぱいだ。「ちょっとコンビニまで」っていう気持ちも分かるけど、命に関わるから絶対に外出しないこと。
台風の目に入って一時的に風が弱まることがあるけど、その後また強風が吹くから、油断してはいけない。台風が完全に通過するまでは、室内で待機することが鉄則だ。
読書や映画で時間を過ごす
停電していない時は、スマホやタブレットで映画を見たり、読書をしたりして時間を過ごす。事前にコンテンツをダウンロードしておけば、インターネットが繋がらなくても楽しめる。
私もKindleで本をダウンロードしておいたり、Netflixで映画をダウンロードしておいたりして、台風の間に見ることにしている。時間があるからこそ、普段見られない長編映画とか、読めなかった本とかを楽しめる。
停電したらトランプやボードゲーム
停電してスマホやタブレットが使えなくなったら、トランプやボードゲームで時間を過ごすのもいい。ホテルによっては貸し出してくれるところもあるし、自分で持っていくのもおすすめだ。
一人旅の場合は、日記を書いたり、考え事をしたり、普段できない内省の時間にするのもいい。台風という非日常的な状況だからこそ、自分と向き合う時間が持てる。
ホテルの台風対応
ホテルに滞在している場合、ホテル側も台風対応をしてくれるから、基本的には指示に従えば大丈夫だ。

食料と水の備蓄
多くのホテルでは台風に備えて食料と水を備蓄していて、停電して調理ができなくなっても、おにぎりやパンなどの簡易食を提供してくれる。ホテルのスタッフに確認しておくと安心だ。
私が滞在したホテルでは、台風の前日に「明日の食事は簡易食になる可能性があります」って説明があって、実際におにぎりとパンが配られた。味は普通の食事には劣るけど、非常時だから十分ありがたい。
懐中電灯とモバイルバッテリーの貸し出し
ホテルによっては懐中電灯やモバイルバッテリーを貸し出してくれるところもある。自分で持っていない場合は、フロントに聞いてみるといい。
台風情報の共有
ホテルのスタッフが最新の台風情報を共有してくれることも多くて「現在、台風は〇〇の位置にいて、午後〇時頃に最接近する見込みです」っていう情報を定期的に教えてくれる。自分で情報を取るのが難しい時は、スタッフの情報を頼りにできる。
安全確保の指示
風が強くなってきたら「窓から離れてください」とか「なるべく建物の中心部にいてください」っていう指示が出ることもある。ホテルのスタッフは台風対応に慣れているから、その指示に従うのが一番安全だ。
台風後の注意点
台風が通過した後も、いくつか注意すべき点がある。
すぐには外出しない
台風が通過しても、すぐには外出しない方がいい。風は弱まっても、倒木や飛散物が道路に散乱していることがあるし、電線が垂れ下がっていることもある。危険な状況が続いているから、安全が確認されるまで待つことが大切だ。
橋の封鎖解除を待つ
伊良部大橋の封鎖が解除されるのは、暴風警報が解除されてから県宮古土木事務所の職員が安全確認をした後になる。焦って橋に向かっても、まだ封鎖されていることがあるから、正式な解除の連絡を待つことが重要だ。
2021年の台風6号の時は、暴風警報解除後の午後に封鎖が解除されて、待ちわびた車が次々と橋を渡っていく様子が見られた。77時間ぶりの解除だったから、みんな安堵の表情だった。
被害状況の確認
自分の車や宿泊施設の周辺に被害がないか確認する。飛散物で車に傷がついていたり、窓ガラスが割れていたりすることもある。被害があった場合は、ホテルのスタッフや保険会社に連絡する。
フライトの運航状況を確認
台風後は飛行機の欠航が続くこともあるから、帰りのフライトの運航状況を確認する必要がある。欠航になっている場合は振替便の手配をするか、滞在を延長するかを判断しなきゃいけない。
台風シーズンの旅行を避けるべきか
台風シーズン(主に7月~10月)に伊良部島を訪れるべきかどうかは、人によって判断が分かれる。
メリットとデメリット
台風シーズンのメリットは、旅行代金が安いことと、観光客が少ないことだ。ホテルも飛行機も比較的安く予約できるし、ビーチも空いている。
デメリットは、台風に遭遇するリスクがあることで、橋が封鎖されて島に閉じ込められたり、フライトが欠航になって帰れなくなったりする可能性がある。せっかくの旅行が台風で台無しになることもある。
柔軟なスケジュールが必要
台風シーズンに旅行する場合は、柔軟なスケジュールが必要で、台風が来たら予定を変更できるような余裕を持っておくことが大切だ。仕事の都合で絶対に〇日までに帰らなきゃいけないっていう場合は、台風シーズンを避けた方が無難だ。
私も一度、台風で飛行機が欠航になって、予定より2日遅れで帰ったことがある。仕事に影響が出て大変だったから、それ以降は重要な予定の前には台風シーズンの旅行を避けるようにしている。
台風保険の検討
旅行保険で台風による欠航やキャンセルがカバーされるかを確認しておくといい。保険に入っていれば、台風で予定が狂っても経済的な損失は最小限に抑えられる。
よくある質問と回答
台風接近時の伊良部島生活について、よく聞かれる質問をまとめて答えておく。
Q1: 伊良部大橋はどのくらいの風で通行止めになる?
風速25m/秒が目安で、暴風警報が発令されると通行止めになる。
Q2: 通行止めの連絡はいつされる?
約2時間前に事前連絡がある。マスコミや防災無線で告知される。
Q3: 橋が封鎖されたらどのくらいの期間通れない?
台風の規模による。短ければ数時間、長ければ77時間(3日以上)に及ぶこともある。
Q4: 停電する可能性は?
高い。台風時はほぼ確実に停電すると考えて備えた方がいい。
Q5: 停電への備えは何が必要?
懐中電灯、モバイルバッテリー、飲料水、食料、現金が必須。
Q6: ホテルは台風対応してくれる?
多くのホテルで食料や水の備蓄、懐中電灯の貸し出しなど、台風対応をしてくれる。
Q7: 台風の最中に外出できる?
絶対にダメ。命に関わるから、台風が完全に通過するまで室内にいること。
Q8: 台風情報はどこで入手する?
気象庁のウェブサイト、宮古島市の防災メール、防災無線、テレビ、ラジオ。
Q9: 台風シーズンの旅行は避けるべき?
柔軟なスケジュールが取れるなら問題ないけど、絶対に〇日に帰らなきゃいけない場合は避けた方が無難。
Q10: 飛行機が欠航になったらどうする?
振替便を手配するか、滞在を延長する。航空会社に連絡して対応を確認する。
Q11: 橋の封鎖解除はいつ分かる?
暴風警報解除後、県宮古土木事務所の安全確認が終わってから。防災メールやテレビで情報が流れる。
Q12: 台風保険は入るべき?
台風シーズンに旅行するなら、台風による欠航やキャンセルをカバーする保険に入っておくと安心。
離島での台風は都会とは全く違う
伊良部島で台風を経験して最も強く感じたのは、離島での台風は都会とは全く違うっていうことで、都会なら台風が来ても電車やバスが動いているし、コンビニやスーパーも開いているし、何かあればすぐに対応できる。
でも離島では橋が封鎖されたら完全に孤立して、買い物にも行けないし、病院にも行けないし、助けも呼べない。自分たちで何とかするしかない状況に置かれる。この孤立感は、実際に体験してみないと分からない。
台風が接近している時の伊良部島は、普段ののんびりした雰囲気とは全く違っていて、島全体が緊張感に包まれる。地元の人たちは慣れているから冷静に対応しているけど、観光客にとっては不安な時間だ。
でもだからこそ、事前の準備が重要になる。懐中電灯、モバイルバッテリー、飲料水、食料、現金を用意して、台風情報をこまめにチェックして、ホテルのスタッフの指示に従う。基本的なことをしっかりやっておけば、安全に台風をやり過ごせる。
もしあなたが台風シーズンに伊良部島に滞在する予定があるなら、この記事の内容を頭に入れておいてほしい。伊良部大橋の封鎖基準、停電への備え、台風時の過ごし方、ホテルの対応。これらを知っているかどうかで、台風への対処が大きく変わってくる。
台風は自然災害だから、完全に避けることはできないけど、準備を万全にしておけば被害を最小限に抑えられる。何より大切なのは命を守ることで、無理な行動は絶対にしないこと。台風が通過するまで安全な場所で待つことが、最も賢明な選択だ。
伊良部島の美しい海と自然を楽しむために訪れたのに、台風に遭遇してしまうのは残念だけど、それも離島旅行の一つの経験だと思って、安全第一で乗り切ってほしい。台風が過ぎれば、また美しい宮古ブルーの海が戻ってくる。その時まで、しっかり備えて待つことが大切だ。

