橋の真下から見上げる圧巻の絶景
伊良部大橋を渡り終えてすぐ右に曲がったところに、小さな看板が立っていた。何となく気になって細い道を進んでいくと、両脇にさとうきび畑が広がっていて「本当にこの先にビーチがあるのかな」って不安になってくる。でも地図にも載っていない場所だからこそ行ってみたいって思って、そのまま進み続けた。
1~2分走ったところで突然視界が開けて、目の前に青い海が広がった。駐車スペースに車を停めて降りると、聞こえるのは波の音だけで、他には誰もいない静けさが心地いい。
ビーチに出て顔を上げた瞬間、思わず息を呑んだ。頭上に伊良部大橋が圧倒的な存在感でそびえていて、全長3,540メートルもある橋を真下から見上げるという、普段では絶対に経験できない光景が広がっている。「すごい」って声が自然と出てきて、しばらくその場に立ち尽くしてしまった。
海も驚くほど綺麗で、エメラルドグリーンの透明度の高い水が岸辺まで押し寄せてきている。人がほとんどいないから静かで、波の音と風の音だけが聞こえる贅沢な空間になっていた。
この記事では、長浜地先の無名ビーチ(伊良部大橋下ビーチとも呼ばれる)の魅力を何度も通った経験をもとに詳しく紹介していく。橋の真下から見上げる絶景、透明度の高い海、静かな時間について、実際の体験談を交えながら書いていくので、伊良部島に行く予定がある人はぜひ参考にしてほしい。
長浜地先の無名ビーチは伊良部大橋のすぐ下にある隠れスポット
長浜地先の無名ビーチは、伊良部大橋を渡り切ってすぐの長浜地区にある小さなビーチで、正式な名前がついていないことから「無名ビーチ」と呼ばれている。地元の人の間では「長山浜(ながやまはま)」と呼ばれることもあるけど、それも正式名称ではなくて、とにかく色んな呼び方をされている場所なんだけど、一番の特徴は伊良部大橋の真下にあるということだ。

伊良部大橋について
伊良部大橋は2015年1月31日に開通した、宮古島と伊良部島を結ぶ全長3,540メートルの橋で、無料で渡れる橋としては日本一の長さを誇っている。総事業費399億円という巨額の費用をかけて建設されたこの橋のおかげで、それまでフェリーでしか行けなかった伊良部島に車で簡単に渡れるようになって、観光客も大幅に増えた。
橋の長さ3,540メートルという数字には「サンゴの島」という語呂合わせが隠されているらしくて、宮古島らしい遊び心を感じる。2016年にはトリップアドバイザーが選ぶ日本の橋ランキングで日本一に輝いたこともあって、それだけ景観が素晴らしいってことなんだけど、橋の上から見る景色も綺麗だし、橋を下から見上げる景色も圧巻だ。
場所とアクセス
住所:沖縄県宮古島市伊良部(長浜地区)
アクセス:宮古空港から車で約20分
宮古空港から伊良部大橋を渡って、橋を渡り切ったらすぐ右に曲がる。細い道を1~2分進むとビーチに着くという、アクセス自体は簡単なんだけど、カーナビで検索しても出てこないことが多いから、初めて行く人は迷う可能性が高い。
グーグルマップで「長山浜」とか「長浜地先」って検索すれば出てくるから、それを頼りに行くのが確実。橋を渡り終えたらすぐ右折するっていうのを覚えておけば、あとは道なりに進んでいけば着く。
様々な呼び方をされる名無しビーチ
このビーチには正式な名前がなくて、地元の人や観光客がそれぞれ勝手に呼んでいる。「伊良部大橋下ビーチ」「長浜地先のビーチ」「無名ビーチ」「長山浜」など、どれも正解でどれも通じるんだけど、逆に言えばどれも正式名称じゃないっていうのが面白い。
私も最初は「どれが本当の名前なんだろう」って混乱したけど、今では「名前がないのも個性だな」って思えるようになった。観光地化されていない証拠でもあるし、それがかえって魅力になっている。
橋の完成で注目されるようになった隠れた名所
このビーチが注目されるようになったのは、伊良部大橋が開通した2015年以降のこと。それまでは地元の人しか知らないような本当のローカルビーチだったのが、橋ができたことで「橋の真下から見上げる景色がすごい」って口コミで広まって、少しずつ訪れる人が増えてきた。
とはいえまだまだ穴場スポットで、有名な渡口の浜や中の島ビーチと比べると訪れる人の数は圧倒的に少ない。私が3回訪れた中で、他の観光客がいたのは1回だけで、しかも1組だけだったから、ほぼ貸し切り状態で楽しめるのが魅力だ。
橋が開通してアクセスしやすくなったとはいえ、施設が何もないビーチだから観光客が殺到することはなくて、静かな時間を過ごしたい人にとっては最高の場所になっている。

透明度の高いエメラルドグリーンの海が美しい
長浜地先の無名ビーチの海は、宮古ブルーと呼ばれるエメラルドグリーンの透明度の高い海が広がっていて、その美しさには本当に驚かされる。浅いところは明るいエメラルドグリーンで、深くなるにつれて濃い青に変わっていくグラデーションが見事で、見ているだけで癒される。
透明度が高いから海底がはっきり見えて、波が寄せてくるときの水の色の変化がとても綺麗だ。晴れた日に訪れると、太陽の光が海に反射してキラキラ輝いて、その美しさは写真では伝わりきらないから、ぜひ実際に目で見てほしいと思う。
ただし波はそれなりにあって遠浅ではないから、シュノーケリングには不向きな場所になっている。サンゴ礁や魚もそこまで多くないし、シュノーケリングを楽しみたいなら中の島ビーチに行った方がいい。でも浅いところで軽く泳いだり、水の透明度を楽しんだりする分には全く問題ないし、むしろ人が少ないから落ち着いて海を楽しめる。
橋の真下から見上げる圧巻の景色
このビーチの最大の魅力は、何と言っても伊良部大橋を真下から見上げられるということに尽きる。全長3,540メートルもある巨大な橋が頭上にそびえ立っている光景は、他では絶対に見られない特別な体験だ。
ビーチに立って顔を上げると、橋が目の前いっぱいに広がっていて、その迫力に圧倒される。橋の上を車が走っているのも見えるし、橋の構造も間近で観察できるから、工学的な興味がある人にとっても面白い場所になっている。
写真撮影のスポットとしても最高で、橋を背景にした写真は確実にインスタ映えする。私も何枚も写真を撮ったけど、どの角度から撮っても絵になるし、特に青空の日に行くと青と白のコントラストが美しい。
橋の下に立つと「こんなに大きな橋が頭上にあるんだ」っていう感動と同時に、人間の技術力のすごさも実感できる。総事業費399億円という金額を聞いたときは想像もつかなかったけど、実際に橋の真下に立ってみると「これだけのお金をかける価値があったんだな」って納得できた。
施設が何もない未整備ビーチ
長浜地先の無名ビーチには、トイレもシャワーも売店も自動販売機も監視員もいない、本当に何もない未整備のビーチになっている。だからこそ自然のままの美しさが保たれているとも言えるんだけど、訪れる前にしっかり準備しておく必要がある。

トイレは事前に済ませる
一番困るのがトイレで、ビーチには当然トイレがないから、必ず事前に済ませてから来ること。伊良部大橋を渡る前に宮古島側で済ませておくのが一番確実で、橋を渡った先にある「いらぶ大橋・海の駅」にもトイレがあるから、そこを利用するのもいい。
私も最初は「少しの時間だから大丈夫だろう」って軽く考えていたら、実際に困ってしまって、慌てて近くの施設を探した経験がある。それ以来、必ず事前にトイレを済ませてから行くようにしている。
シャワーもないから車で着替える
シャワーもないから、泳いだ後は海水が体についたまま車に戻って着替えることになる。だから着替えやすい服装で行くのがおすすめで、バスタオルと着替えは必須アイテムだ。
防水バッグに貴重品を入れておくと安心だし、濡れたものを入れるビニール袋も持っていくと便利。ホテルに戻ってからシャワーを浴びればいいと割り切れるなら、特に問題はない。
飲み物と食べ物は全部持参
売店も自動販売機もないから、飲み物と食べ物は全部持参する必要がある。特に夏場は暑くて水分補給が必須だから、多めに持っていくことをおすすめする。
クーラーボックスに飲み物を入れて持っていけば、冷たいドリンクが飲めて最高だ。軽食やお菓子もあると便利で、ビーチでのんびりしながら食べるのも楽しい。
監視員がいないから自己責任
監視員もいないから、泳ぐときは完全に自己責任になる。波がそれなりにあるビーチだから、泳ぎに自信がない人は無理をしない方がいい。浅いところで遊ぶ分には問題ないけど、深いところまで行くのはリスクが高い。
ライフジャケットや浮き輪を持参すると安心だし、複数人で行って互いに注意し合うのも大切だ。安全第一で楽しむことを心がけたい。
駐車スペースは少ないけど問題なし
駐車スペースは未舗装で3~5台分くらいしかないけど、訪れる人が少ないから満車になることはほとんどない。砂や砂利の駐車場だから、一見すると「ここに停めていいのかな」って不安になるかもしれないけど、普通のセダンでも問題なく停められる。
しかも駐車料金は無料で、お金を払う必要が一切ないのも嬉しいポイントだ。私が訪れた3回とも、他の車が停まっていたことは1回だけで、基本的には貸し切り状態で利用できた。
橋名板との写真撮影も楽しめる
伊良部大橋のたもとには「伊良部大橋」という文字が書かれた橋名板があって、これが人気の写真撮影スポットになっている。特に宮古島側の橋のたもとにある橋名板が有名なんだけど、伊良部島側にもあるから、両方で写真を撮るのも楽しい。
橋名板をバックに記念写真を撮れば、伊良部島に来た証になるし、SNSに投稿するのにもぴったりだ。橋の上からの景色を楽しみながら、橋名板で記念撮影もして、そして橋の下のビーチで絶景を堪能するっていう、橋を三方向から楽しめるのが伊良部大橋の魅力だと思う。
持ち物リストをチェックして準備万端で
長浜地先の無名ビーチは施設が何もないから、準備が成功の鍵になる。私の経験から、これだけは持っていった方がいいっていうアイテムをリストアップしておく。
絶対に必要なもの
飲み物:自動販売機がないから多めに
日焼け止め:沖縄の日差しは強い
帽子:熱中症対策に必須
サングラス:まぶしさ対策
タオル:泳いだ後に必要
着替え:シャワーがないから車で着替える
ゴミ袋:ゴミは全部持ち帰る
カメラ:橋の真下からの絶景を記録
あると便利なもの
レジャーシート:砂浜に敷いて座る
パラソル:日陰を作る
浮き輪やライフジャケット:泳ぐときの安全対策
防水バッグ:貴重品を守る
マリンシューズ:岩場もあるから
これだけ準備すれば、快適にビーチを楽しめる。施設がないからこそ、準備をしっかりすることが大切だ。
ゴミは必ず持ち帰って美しさを守る
長浜地先の無名ビーチにはゴミ箱がないから、自分が出したゴミは全部持ち帰る必要がある。未整備のビーチだからこそ自然のままの美しさが残っているわけで、それを守るのは訪れる人の責任だ。
ゴミ袋を持参して、飲み物の空き容器や食べ物の包み紙など、全部持って帰る。ビーチを綺麗に保つことで、次に来る人も同じように美しい景色を楽しめるし、地元の人にも迷惑をかけずに済む。
誰もが気持ちよく使えるように、マナーを守って楽しみたい。
周辺の観光スポットと組み合わせる
長浜地先の無名ビーチは単独で訪れても十分楽しめるけど、周辺の観光スポットと組み合わせて回るとより充実した一日になる。
いらぶ大橋・海の駅(車で5分)
伊良部大橋を渡ってすぐのところにある観光施設で、お土産やグルメが楽しめる。2階の食堂では島ダコを使った炊き込みご飯や宮古そばが食べられるし、トイレも使える。ビーチに行く前後に立ち寄るのに便利だ。
渡口の浜(車で15分)
伊良部島で一番人気のビーチで、真っ白なパウダーサンドが800メートルも続く美しい海岸。トイレやシャワーも完備されているから、施設が必要なときはここを利用するといい。
牧山展望台(車で10分)
伊良部島で最も高い場所にある展望台で、サシバという渡り鳥の形をしている。展望台からは宮古島や伊良部大橋、透き通った海が一望できて、晴れていれば池間島や来間島も見える絶景スポットだ。
佐和田の浜(車で20分)
日本の渚100選に選ばれているビーチで、津波石が点在する独特の景観が見られる。夕日が綺麗なスポットとしても知られているから、夕方に訪れるのがおすすめだ。
17END(車で25分)
下地島空港の滑走路の端にある幻のビーチで、エメラルドグリーンの海が本当に美しい。飛行機の離着陸も間近で見られるから、写真撮影にも最適な場所になっている。
長浜地先の無名ビーチのメリットとデメリット
実際に何度も訪れてみて感じた、このビーチの良いところと注意が必要なところを正直にまとめておく。
メリット
伊良部大橋を真下から見上げられる
この景色はここでしか見られない特別な体験で、橋の迫力を間近で感じられる。
観光客が少なくて静か
ほぼ貸し切り状態で過ごせるから、静かな時間を楽しめる。
透明度の高い美しい海
宮古ブルーのエメラルドグリーンの海は、見ているだけで癒される。
アクセスが簡単
伊良部大橋を渡ってすぐだから、宮古空港から20分ほどで着く。
駐車場が無料
駐車料金がかからないから、気軽に立ち寄れる。
写真撮影に最適
橋を背景にした写真は確実にインスタ映えする。
デメリット
施設が全くない
トイレ、シャワー、売店、自動販売機、監視員がないから、全部準備が必要。
シュノーケリングには不向き
波があって遠浅じゃないし、サンゴや魚も少ない。
カーナビで出てこない
グーグルマップで検索するしかない。
準備が大変
施設がないから、飲み物から日焼け対策まで全部自分で用意する必要がある。
泳ぐのはリスクがある
監視員がいないから、泳ぐときは自己責任になる。
駐車スペースが少ない
3~5台分しかないけど、満車になることはほとんどない。
よくある質問と回答
長浜地先の無名ビーチについて、よく聞かれる質問をまとめて答えておく。
Q1: 正式な名前は何?
正式名称はなくて、無名ビーチ、長山浜、伊良部大橋下ビーチなど色々な呼び方をされている。
Q2: どこにある?
伊良部大橋を渡り切ってすぐ右に曲がったところで、宮古空港から車で約20分。
Q3: カーナビで出る?
出ないことが多いから、グーグルマップで「長山浜」と検索するのが確実。
Q4: 駐車場はある?
未舗装の駐車スペースが3~5台分ある。無料で利用できる。
Q5: トイレやシャワーは?
どちらもない。事前に宮古島側か、いらぶ大橋・海の駅で済ませておく。
Q6: 売店や自動販売機は?
ない。飲み物や食べ物は全部持参する必要がある。
Q7: シュノーケリングできる?
できないことはないけど、波があって不向き。中の島ビーチの方がおすすめ。
Q8: 泳げる?
浅いところで軽く泳ぐ分には問題ないけど、監視員がいないから自己責任。
Q9: いつ行くのがおすすめ?
晴れた日の午前中か夕方。昼間は日差しが強すぎる。
Q10: 混んでる?
ほとんど混まない。貸し切り状態のことが多い。
Q11: 滞在時間はどのくらい?
30分~1時間くらいが目安。橋を見上げて、写真を撮って、ちょっと海に入る程度。
Q12: 子ども連れでも大丈夫?
施設がないから準備が必要だけど、浅いところで遊ぶ分には問題ない。
橋の真下から見上げる特別な体験を
長浜地先の無名ビーチは、伊良部島に行くなら絶対に立ち寄ってほしい隠れスポットだ。施設が何もないから準備は必要だけど、その分だけ静かで自然のままの美しさが残っている特別な場所になっている。
初めて訪れたときの感動は今でもはっきり覚えていて、橋を渡り終えてすぐ右に曲がって細い道を進んでいったら、突然目の前に青い海が広がって、そして頭上には巨大な伊良部大橋がそびえていた。「こんな場所があったんだ」って驚いて、しばらくその場に立ち尽くしてしまったことを思い出す。
橋の真下から見上げる景色は、橋の上から見る景色とはまた違った感動があって、橋の構造や大きさを間近で感じられるのが面白い。全長3,540メートルもある橋が頭上にそびえ立っているという非日常的な光景は、他では絶対に見られない特別な体験だ。

海の透明度も素晴らしくて、エメラルドグリーンの宮古ブルーが岸辺まで続いている。シュノーケリングには不向きだけど、浅いところで水に浸かって透明度の高さを楽しむだけでも十分価値がある。
何より人が少ないから、静かな時間を過ごせるのが最高だ。有名な観光ビーチは人で溢れかえっているけど、ここは貸し切り状態で楽しめるから、波の音と風の音だけを聞きながらゆっくり過ごせる。
確かに施設が何もないから飲み物も日焼け止めも全部持参する必要があるし、トイレも事前に済ませておかないといけない。でもそういう不便さを乗り越えた先にある静かで美しいビーチは、きっと期待以上の感動を与えてくれるはずだ。
渡口の浜や17END、通り池といった有名スポットを巡る合間に、ちょっと寄り道して長浜地先の無名ビーチで橋を見上げてみる。そんなプランを組んでみると、伊良部島の違った魅力に気づけると思う。
もしあなたが伊良部島を訪れる予定があるなら、ぜひ伊良部大橋を渡り切ってすぐ右に曲がって、細い道を進んでみてほしい。さとうきび畑を抜けた先に広がる青い海と、頭上にそびえる巨大な橋が、きっとあなたを驚かせてくれる。
白い砂浜に立って、橋を見上げながら、エメラルドグリーンの海を眺める。誰もいない静かな時間を、自分だけのペースで過ごす。それが長浜地先の無名ビーチの楽しみ方だ。
何度訪れても、その絶景と静けさに心を奪われて、また来たいなって思う。伊良部島の青い海と白い砂浜、そして伊良部大橋の圧倒的な存在感。これ全部が揃ったら、きっと忘れられない旅になる。あなたもそんな旅を体験してみてほしい。






