見つけた瞬間の空気がヤバかった
サトウキビ畑の真ん中で、完全に迷った。
Googleマップは「目的地周辺です」って言うんだけど、周りはサトウキビと砂利道しかない。え、どこ?って何度もスマホを見直したけど、それらしいものが全く見つからない。
で、あきらめかけた時、道の脇にポツンと小さい看板を見つけた。「史跡・ヌドクビアブ」って書いてある。これか。

でも、その先には森みたいな茂みしかない。本当にここ?って思いながら、恐る恐る中に入っていった。草をかき分けて、クモの巣を避けながら。正直、かなり怖かった。
で、2分ぐらい歩いたら、突然目の前にポッカリ穴が開いてた。
階段が下に続いてる。急な階段。暗い穴の中に。
「マジで降りるの?」って一瞬ためらったけど、ここまで来たんだから行くしかない。意を決して階段を降り始めた瞬間、空気が変わった。
ヒンヤリとして、湿気を含んでて、なんか重い。地上とは明らかに違う空気。
階段を降りきったら、目の前に広がったのは、言葉にできないぐらい神秘的な空間。ガジュマルの根が天井から垂れ下がってて、光が斜めに差し込んでて、まるでラピュタみたいな。
美しいと思った。でも同時に、ちょっと怖かった。
今回は、そんなヌドクビアブの魅力と、実際に行ってわかった注意点を全部書いていく。伊良部島の隠れたパワースポット。知る人ぞ知る場所だから。
ヌドクビアブとは?伊良部島の隠れた戦跡
ヌドクビアブは、伊良部島のサトウキビ畑の中にある縦穴の洞窟。
観光ガイドにはほとんど載ってない。地元の人でも知らない人がいるぐらい、マイナーなスポット。でも、知る人ぞ知るパワースポットとして、一部では有名。
名前の意味
「ヌドクビアブ」って、不思議な名前だよね。
実は宮古方言で:
- ヌドクビ:喉首
- アブ:縦穴、洞窟
つまり、「喉首のような縦穴」って意味。
実際に見ると、本当にそんな感じ。地面に開いた穴が、喉の奥みたいに深く続いてる。名前がぴったり。
どんな場所なのか
琉球石灰岩が長い時間をかけて雨水で溶けてできた縦穴洞窟。
- 深さ:約22メートル
- 洞口:2箇所(階段で降りる入口と、井戸状の縦穴)
- 内部:広間になってる、つらら石が発達
宮古島周辺には、こういう洞窟がいくつかある。石灰岩の地形だから、雨水が岩を溶かして洞窟ができる。ヌドクビアブもその一つ。
でも、ここは他と違って、天井からガジュマルの根が垂れ下がってる。その光景が、もう別世界。
「入り口どこ?」問題|サトウキビ畑で迷う
ヌドクビアブ、マジで見つけにくい。
これは行った人全員が言ってること。Googleマップを頼りに行っても、「この辺のはずなんだけど…」ってなる。
サトウキビ畑の中にある
伊良部大橋を渡って、伊良部島に入る。最初の交差点を左折して、しばらく道なりに進む。途中で「下地島空港→」って看板が出てくるから、それに従って曲がる。
そこから砂利道に入る。
サトウキビ畑が延々と続く道。舗装されてないから、車がガタガタ揺れる。「本当にこの道でいいの?」って不安になる。
でも、進むしかない。
看板はあるけど、小さい
しばらく走ると、道の脇に木の茂みが見えてくる。
その手前に、小さい看板。「史跡・ヌドクビアブ」って書いてある。これが唯一の目印。見逃したら、絶対に通り過ぎる。
私も最初、通り過ぎた。で、「あれ?もしかして今の?」って戻った。
駐車場はない
看板の前に、路上駐車する。
駐車場はない。みんな道の脇に適当に停めてる。他に車がいないから、停める場所には困らないけど、ちょっと不安になる。「ここに停めていいのかな?」って。
でも、他に選択肢がないから、そこに停めるしかない。
森の中に入る勇気が必要
看板があるのはいい。でも、問題はその先。
石垣と木の間に、細い道がある。いや、道って言えるのかわからないぐらい、狭くて暗い。木が生い茂ってて、地面はぬかるんでる。
「本当にここ?」って思った。
でも、他に道はない。だから、意を決して入った。

草をかき分けながら進む。クモの巣がいっぱいあるから、手で払いながら。足元はぬかるんでて、滑りやすい。サンダルで来たら絶対に後悔する。
2~3分ぐらい歩いたかな。不安になってきた頃に、突然視界が開けた。
目の前に、ポッカリと穴が開いてた。
階段を降りた瞬間、空気が変わる
穴の中に、階段が続いてた。
急な階段。落ち葉がいっぱい積もってて、すごく滑りやすそう。手すりもない。
「降りるの怖い」って思った。でも、ここまで来たんだから。
恐る恐る降りる
一段一段、慎重に。
階段は思ったより急で、足を踏み外しそうになる。落ち葉で滑るから、壁に手をつきながら降りた。
で、5段ぐらい降りた瞬間、気づいた。
空気が変わった。
ヒンヤリとした空気
地上は暑かった。真夏の伊良部島。汗だくになりながら森の中を歩いてきた。
でも、階段を降りたら、急にヒンヤリとした。
温度が全然違う。たぶん5度ぐらい低い。湿気を含んでて、冷たくて、重い空気。
「うわ、これ」って思った。
地下って、こんなに涼しいんだ。真夏でも。
静寂がすごい
音も変わった。
地上では、鳥の声とか、風の音とか、いろんな音がしてた。でも、階段を降りたら、急に静かになった。
聞こえるのは、自分の足音と、遠くで水が滴る音だけ。
その静けさが、なんか不気味で。でも、心地よくもあって。
ガジュマルの根が垂れ下がる、ラピュタみたいな光景
階段を降りきったら、広間に出た。
思ってたより、ずっと広い。
天井は高くて、直径10メートルぐらいの空間。周りはゴツゴツした琉球石灰岩。床は土と礫と腐植土が混ざってる。
で、一番驚いたのが、ガジュマルの根。

天井から垂れ下がる根
天井に穴が開いてて、そこから光が差し込んでる。
その穴の周りから、ガジュマルの根が無数に垂れ下がってる。長いのは床まで届いてる。短いのもある。太いのも細いのも。
まるでカーテンみたい。自然が作ったカーテン。
ラピュタって言われる理由
「ラピュタみたい」って言われるのは、この光景のせいだと思う。
天井から根が垂れ下がってて、光が斜めに差し込んでて、神秘的で。
ジブリの『天空の城ラピュタ』で、パズーとシータが地下の坑道に入るシーン。あの雰囲気にそっくり。
私もそう思った。「これ、ラピュタだ」って。
光の加減が美しい
光が差し込む角度で、全然違って見える。
朝とか夕方とか、太陽の位置で変わる。私が行ったのは昼間だったけど、光が真上から差し込んでて、根のシルエットがくっきり見えた。
写真を撮ったけど、実物の方がずっと綺麗。写真じゃ伝わらない。

戦時中の防空壕|かまど跡が残る
ヌドクビアブは、ただの洞窟じゃない。
戦時中、防空壕として使われてた。第二次世界大戦の時。
防空壕としての歴史
宮古島周辺は、戦時中に空襲があった。
人々は洞窟に避難した。ヌドクビアブもその一つ。深さ22メートルもあるから、空襲から身を守るのに適してた。しかも、見つけにくい場所にあるから、敵に見つかりにくい。
洞窟の奥に進むと、かまど跡が残ってる。
かまど跡を見る
広間から、さらに奥に洞窟が続いてる。
暗くて、足場が悪いから、あまり奥までは行かなかった。でも、入り口から少し見える範囲に、石を積んだ跡があった。
これが、かまど跡。
戦時中、ここで火を焚いて、食事を作ってたんだろう。どんな気持ちで、ここで過ごしてたんだろう。怖かっただろうな。
史跡として登録されている
ヌドクビアブは、宮古島市の史跡として登録されてる。
観光スポットっていうよりは、歴史的な場所。戦争の記憶を残す場所。
パワースポットとして有名だけど、こういう歴史も忘れちゃいけないと思った。
虫除けスプレー必須|蚊が大量にいる
ヌドクビアブに行く時、絶対に持っていかないといけないもの。
虫除けスプレー。
これがないと、マジで地獄。
森の中が蚊だらけ
入り口から洞窟までの森の中が、蚊だらけ。
木が生い茂ってて、日陰で、湿気があって。蚊にとって最高の環境。
私は虫除けスプレーを持っていかなくて、めちゃくちゃ刺された。腕とか首とか、露出してるところ全部。10箇所以上。
「あーーー!」ってなった。

洞窟の中にもいる
しかも、洞窟の中にも蚊がいる。
階段を降りた広間のあたりは、意外と蚊がいる。湿気があるから。
「地下だから大丈夫だろう」って思ってたら、全然そんなことなかった。
対策は万全に
ヌドクビアブに行くなら、虫除けスプレーは必須。
できれば、長袖長ズボンで行くのがベスト。暑いけど。でも、蚊に刺されるよりはマシ。
私は学んだ。次に行く時は、絶対に虫除け対策を万全にする。
パワースポットとしてのヌドクビアブ
ヌドクビアブは、「パワースポット」として有名。
でも、祭壇があるわけでもないし、神様の像があるわけでもない。ただ、自然が作った洞窟があるだけ。
じゃあ、なんでパワースポットなのか。

地元の人の話
地元のガイドさんに聞いた。
「ヌドクビアブは昔から、地元の人にとって特別な場所だった。御嶽(うたき)みたいな存在。あまり近づかない方がいいって言われてた場所でもある」
御嶽っていうのは、沖縄の言葉で、神様が宿る聖地のこと。
宮古島には900箇所以上の御嶽があるらしい。ヌドクビアブも、その一つとして扱われてきた。
空気が違う
実際に行ってみて、わかった。
空気が違う。
地上とは明らかに違う。静かで、ヒンヤリしてて、重い。その空気の中にいると、なんか不思議な感覚になる。
「ここには何かある」って感じる。それがパワーなのかはわからないけど、確かに特別な場所だと思った。
人が少ない静けさ
ヌドクビアブは観光地化されてない。
だから、人がほとんどいない。私が行った時も、誰もいなかった。完全に一人。
その静けさが、パワースポットの雰囲気を作ってる。賑やかな観光地だったら、こんな感じにはならない。
静かだからこそ、自分と向き合える。瞑想みたいな時間を過ごせる。
ヌドクビアブを最高に楽しむ7つのコツ
実際に行ってわかった、ヌドクビアブを楽しむためのコツをまとめておく。
① 虫除けスプレーは絶対に持っていく
これは何度でも言う。
虫除けスプレーがないと、地獄を見る。森の中も洞窟の中も、蚊がいる。
出発前に全身にスプレーして、持ち歩く。途中で追加でスプレーする。
② 長袖長ズボン、歩きやすい靴
サンダルで行くと後悔する。
森の中は足場が悪い。ぬかるんでるし、根っこが出てるし。階段も滑りやすい。
スニーカーか運動靴で行こう。できれば、長袖長ズボン。蚊対策にもなる。
③ 懐中電灯があると便利
洞窟の中は、意外と暗い。
昼間でも、奥の方は暗くて見えない。スマホのライトでもいいけど、懐中電灯があると便利。
かまど跡とか、奥の方を見たいなら、ライトは必須。
④ 一人で行くのは怖い
正直、一人で行くのはちょっと怖い。
森の中を歩いてる時も、階段を降りる時も、「誰もいないけど大丈夫かな」って不安になる。
できれば、誰かと一緒に行こう。複数人で行った方が、安心だし楽しい。
⑤ 雨の後は避ける
雨の後は、地面がぬかるんで危険。
森の中も、階段も、洞窟の中も、水が溜まってる。滑りやすくなるし、足が汚れる。
晴れた日に行くのがベスト。少なくとも、雨が降ってない日。
⑥ 朝か夕方に行く
昼間は暑い。
サトウキビ畑の中を歩くから、日差しが強い。森の中に入るまで、日陰がない。
朝(9時~11時)か夕方(16時以降)がおすすめ。光の加減も綺麗。
⑦ Googleマップだけに頼らない
Googleマップは「目的地周辺です」って言うけど、実際は看板を見つけないと入り口がわからない。
事前に、行き方を調べておく。ブログとか、YouTubeとか。写真付きで説明してるサイトを見ておくと安心。
よくある質問(FAQ)
所要時間はどれぐらい?
駐車場所に着いてから戻ってくるまで、30分~1時間ぐらい。
森の中を往復して、洞窟の中でゆっくり過ごして。そんな感じ。
駐車場はありますか?
ない。
看板の前に、路上駐車する。他に車がなければ、そこに停めても問題ない。
入場料はかかりますか?
かからない。無料。
管理されてないから、自己責任で行く。
子供連れでも大丈夫ですか?
おすすめしない。
森の中は足場が悪いし、階段は急で滑りやすい。小さい子供を連れて行くのは危険。
小学校高学年以上なら、大丈夫かも。でも、必ず大人が付き添う。
トイレはありますか?
ない。
周辺にコンビニもない。事前にトイレを済ませておく。
一人で行っても大丈夫ですか?
行けるけど、ちょっと怖い。
森の中を一人で歩くのも、階段を降りるのも、不安になる。できれば複数人で。
万が一、怪我とかしたら、助けを呼べない。
ベストシーズンはいつ?
年中行ける。
でも、真夏(7月~8月)は暑いから、朝か夕方に行くのがおすすめ。秋から春(10月~4月)が過ごしやすい。
まとめ|ヌドクビアブは、冒険心をくすぐる場所
ヌドクビアブは、一言で言うと「冒険」。
入り口を探すのも、森の中を歩くのも、階段を降りるのも。全部が冒険。
観光地化されてないからこそ、その冒険感がある。整備されてないからこそ、神秘的。

ガジュマルの根が垂れ下がる光景は、本当に美しい。ラピュタの世界に迷い込んだみたい。階段を降りた瞬間の空気の変化も、忘れられない。
ただし、虫除けスプレーは必須。これを忘れると地獄を見る。私みたいに。
伊良部島を訪れるなら、ヌドクビアブは外せない。他の観光スポット(17ENDとか渡口の浜とか)とは全然違う魅力がある。
サトウキビ畑の中の隠れたパワースポット。冒険心をくすぐる場所。あの空気を感じに、ぜひ行ってきてほしい。

