フナウサギバナタで「鳥どこ?」って言った日

伊良部 フナウサギバナタ 観光

いなくなったけど景色がヤバい

ガイドブックの写真を見た瞬間、「これ行きたい!」って思った。

巨大なサシバ(鳥)の像が、空に向かって翼を広げてる。その背中に階段があって、お腹の中が展望台になってる。めちゃくちゃカッコいい。絶対行こう。

伊良部 フナウサギバナタ   期待

で、期待に胸を膨らませながら、フナウサギバナタに到着した。

駐車場に車を停めて、ワクワクしながら展望台に向かったんだけど。

「…あれ?」

鳥、いない。

あるのは、シンプルな展望台だけ。白いコンクリートの台座。階段があって、その上に屋根がある。それだけ。

「え、鳥は?あの巨大な鳥、どこ?」

一瞬、場所を間違えたのかと思った。でも、看板には「フナウサギバナタ」って書いてある。ここで合ってる。

後で調べたらわかった。サシバの像は、2019年に撤去されてた。塩害による老朽化で。つまり、もうない。

正直、めちゃくちゃガッカリした。あの鳥を見に来たのに。

でも、展望台に登ってみた。そしたら、目の前に広がったのは、言葉にできないぐらいの絶景。

エメラルドグリーンの海。断崖絶壁。遠くに見える池間大橋。サンゴ礁の白いライン。

「うわ、これはすごい」って思った。

鳥はなくなったけど、景色は健在だった。っていうか、むしろ視界が開けて、見やすくなってるんじゃないか?

今回は、そんなフナウサギバナタの魅力と、「鳥がいない」問題について全部書いていく。古いガイドブックを信じて行く人が、ガッカリしないように。


フナウサギバナタとは?「船を見送る岬」の意味

フナウサギバナタは、伊良部島の北部にある岬。

断崖絶壁の上に展望台があって、海を一望できる場所。伊良部島の観光スポットの中でも、景色の美しさはトップクラス。

名前の意味

「フナウサギバナタ」って、不思議な名前だよね。

実は伊良部島の方言で:

  • フナ:船
  • ウサギ(ウシャギ):見送る
  • バナタ(パナタ):崖の上、頂上

つまり、「船を見送る崖の上」って意味。

昔、この岬で、沖縄本島や他の島へ旅立つ人を見送ったらしい。家族とか、友人とか、出兵する兵士とか。船が見えなくなるまで、ずっと手を振ってた場所。

どんな場所なのか

伊良部島の北側、海岸沿いにある。

  • 場所:伊良部島北部
  • アクセス:伊良部大橋から車で約15分
  • 駐車場:あり(10台程度)
  • トイレ:なし
  • 滞在時間:10~30分

展望台は、駐車場のすぐ横。階段を登るだけで、絶景が見れる。アクセスは楽。


「鳥どこ?」問題|サシバの像がなくなった理由

フナウサギバナタと言えば、巨大なサシバの像。

でも、それはもうない。2019年8月に撤去されてる。

伊良部 フナウサギバナタ

サシバの像があった時代

1985年(昭和60年)に建設された。

サシバっていうのは、タカの仲間の渡り鳥。秋になると、伊良部島に飛来する。絶滅危惧種に指定されてる貴重な鳥。

その姿をモチーフにした展望台。大きく羽を広げた姿が、めちゃくちゃカッコよかった。

  • 背中に階段
  • お腹の中が展望スペース
  • 今にも空へ飛び立ちそうな姿勢

海からも見えるぐらい、大きくて目立ってた。伊良部島のランドマーク的存在。

なぜ撤去されたのか

塩害による老朽化。

海のすぐそばにあるから、潮風をまともに受ける。それが30年以上続いて、羽の部分が崩落しかけてた。危険だから、撤去された。

令和元年(2019年)8月。結構最近。

古い情報を信じてガッカリする人続出

私みたいに、古いガイドブックを見て期待して行く人が多い。

「巨大な鳥がある」って書いてあるから、当然あると思うじゃん。でも、着いたら何もない。

Twitterとか見ると、同じようにガッカリしてる人がいっぱいいる。

「鳥を見に来たのに!」
「写真と違う!」
「期待してたのに…」

気持ちはめちゃくちゃわかる。

展望台で鳥を探す

でも、景色は残ってる

ただ、ここで終わらないでほしい。

鳥はなくなった。でも、景色は変わってない。っていうか、むしろ良くなってる部分もある。

サシバの像があった時は、展望台の中から景色を見る形だった。視界がちょっと遮られてた。でも、今はシンプルな展望台だから、視界が開けてる。360度、海が見渡せる。

「これはこれでいいかも」って思った。


景色はマジでトップクラス|断崖絶壁と海の色

フナウサギバナタの魅力は、景色。

鳥はなくなったけど、景色は健在。っていうか、伊良部島で見た景色の中で、ここが一番綺麗だったかもしれない。

伊良部 フナウサギバナタ エメラルドグリーン

エメラルドグリーンの海

展望台に登ると、目の前に広がるのはエメラルドグリーンの海。

浅い場所と深い場所で、色がはっきり分かれてる。浅いところは明るいエメラルド。深いところは濃い青。その境目に、白いサンゴ礁のラインが見える。

グラデーションが美しい。

断崖絶壁の迫力

足元を見ると、断崖絶壁。

高さは70メートル以上あるらしい。垂直に切り立った崖。下を見ると、ちょっと怖い。

でも、その高さがあるから、景色が広く見える。海の向こうまで、ずーっと見渡せる。

遠くに見える景色

天気が良ければ、遠くまで見える。

  • 池間大橋:遠くに小さく見える
  • 宮古本島:池間島の向こうに
  • 西平安名崎の風車:白い風車がいくつか

伊良部島の周りの景色が、全部見渡せる。

サンゴ礁がくっきり

海を見てると、サンゴ礁がくっきり見える。

白い帯状のライン。浅い場所にサンゴが広がってる証拠。その外側は、急に深くなってて、色が濃い青になる。

宮古島周辺は、サンゴ礁が発達してるから、こういう景色が見れる。


ウミガメが見える|海をじっと見てたら泳いでた

フナウサギバナタで、もう一つ感動したこと。

ウミガメが見えた。

海を見てたら、何か動いてた

展望台に座って、ぼーっと海を眺めてた。

風が心地よくて、波の音が聞こえて。ただただ海を見てるだけで、気持ちいい。

で、10分ぐらい経った時。

海の中、何か動いてる?

最初は魚かと思った。でも、動きが違う。ゆっくりと、のんびりと泳いでる。

「もしかして…」

ウミガメだった

双眼鏡とか持ってなかったけど、肉眼でもわかった。

甲羅が見える。ゆったりとした泳ぎ方。あれは絶対、ウミガメ。

「うわ、ウミガメだ!」って思わず声が出た。

一人だったから、誰にも共有できなかったけど。でも、めちゃくちゃ嬉しかった。

運が良ければ見れる

地元の人に聞いたら、「たまに見れるよ」って言ってた。

ウミガメは、サンゴ礁の周りをよく泳ぐ。餌を探してる。運が良ければ、展望台から見える。

見れたらラッキー。見れなくても、景色が綺麗だから問題ない。

伊良部 フナウサギバナタ ウミガメ

三角点は危険|崖の上まで行けるけど注意

フナウサギバナタには、「三角点」って呼ばれる場所がある。

展望台とは別の場所。崖の上に出れる。

三角点とは

展望台から少し歩いたところにある。

断崖絶壁の、まさに崖っぷち。柵とか何もない。足を踏み外したら、下まで落ちる。マジで危険。

でも、景色はすごい。海が真下に見える。高さ70メートル以上から見下ろす海。迫力がある。

行くなら自己責任

「立入禁止」って書いてある場所もあるけど、入れる場所もある。

ただし、完全に自己責任。柵がないから、ちょっとバランスを崩したら落ちる。風が強い日とか、絶対に近づかない方がいい。

私は、遠くから見るだけにした。怖すぎて。

スリルを求める人向け

インスタとかで、崖の上に立ってる写真を投稿してる人がいる。

めちゃくちゃ映える写真。でも、マジで危ない。真似しない方がいい。

スリルを求める人なら行ってもいいけど、本当に気をつけて。


フナウサギバナタを最高に楽しむ7つのコツ

実際に行ってわかった、フナウサギバナタを楽しむコツをまとめておく。

① 「鳥がない」前提で行く

これが一番大事。

古いガイドブックを信じない。サシバの像はもうない。それを理解した上で行けば、ガッカリしない。

景色を見に行くつもりで。

② 天気が良い日に行く

曇りの日と晴れの日で、全然違う。

晴れてる日は、海の色が綺麗。エメラルドグリーンが輝く。遠くまで見渡せる。

曇りの日は、海が灰色っぽく見える。ちょっと残念。

天気予報をチェックしてから行こう。

③ 朝か夕方がおすすめ

昼間は、日差しが強い。

展望台に屋根はあるけど、日陰は少ない。真夏の昼間とか、暑すぎる。

朝(8時~10時)か夕方(16時~18時)がおすすめ。光の加減も綺麗。

④ 双眼鏡があると楽しい

ウミガメを探すなら、双眼鏡があると便利。

肉眼でも見えるけど、双眼鏡があればもっとよく見える。魚とか、船とか。

持ってなくても問題ないけど、あったら楽しさが倍増する。

⑤ ゆっくり過ごす時間を作る

フナウサギバナタは、サクッと見て終わりじゃもったいない。

ベンチに座って、海を眺める。風を感じる。波の音を聞く。そういう時間を作ると、癒される。

10分じゃなくて、30分ぐらいいてもいい。

⑥ トイレは事前に済ませる

フナウサギバナタには、トイレがない。

駐車場にもない。周辺にコンビニもない。

事前に、伊良部島のコンビニとか、他の観光スポット(牧山展望台とか)でトイレを済ませておこう。

⑦ 牧山展望台とセットで回る

伊良部島には、もう一つ有名な展望台がある。

牧山展望台。サシバの形をした展望台。フナウサギバナタのサシバはなくなったけど、牧山のサシバは健在。

車で10分ぐらいだから、セットで回るのがおすすめ。


よくある質問(FAQ)

サシバの像は復活しますか?

今のところ、復活の予定はない。

撤去されてから5年以上経ってるけど、再建の話は聞かない。予算の問題とか、いろいろあるんだと思う。

復活を期待するより、今の景色を楽しむ方がいい。

所要時間はどれぐらい?

10~30分ぐらい。

サクッと見るだけなら10分。ゆっくり過ごすなら30分。

ウミガメを探したり、写真を撮ったり、海を眺めたり。時間に余裕があれば、長くいてもいい。

駐車場はありますか?

ある。無料。

10台ぐらい停められる。観光客が少ないから、基本的には空いてる。

子供連れでも大丈夫ですか?

展望台なら大丈夫。

階段があるけど、そんなに急じゃない。小さい子でも登れる。

ただし、三角点(崖の上)には絶対に近づかせない。柵がないから、マジで危険。

雨の日でも行けますか?

行けるけど、おすすめしない。

雨だと、景色が見えない。海が灰色に見える。せっかく行っても、魅力が半減する。

晴れた日に行こう。

他におすすめの時間帯はありますか?

夕方が特におすすめ。

夕日が沈む前の時間帯(17時~18時)。空がオレンジ色に染まって、海もオレンジ色に輝く。

朝もいいけど、夕方の方が幻想的。

牧山展望台とどっちがいい?

どっちもいい。

牧山展望台は、サシバの像がまだある。高い場所にあって、景色が広い。

フナウサギバナタは、断崖絶壁から見る海の色が綺麗。静か。

時間があれば、両方行くのがベスト。


鳥はなくなったけど、景色は最高

フナウサギバナタは、「変化」した場所。

伊良部 フナウサギバナタ 海を眺める

サシバの像があった時代を知ってる人にとっては、ちょっと寂しい。古いガイドブックを信じて行った人は、ガッカリする。

でも、景色は変わってない。

エメラルドグリーンの海。断崖絶壁。遠くに見える池間大橋。サンゴ礁のライン。ウミガメが泳ぐ姿。

海を眺める

鳥がなくなったことで、むしろ視界が開けた。360度、海が見渡せるようになった。「これはこれでいいかも」って思える。

伊良部島を訪れるなら、フナウサギバナタは外せない。

「船を見送る岬」っていう名前に込められた想い。昔の人が、ここから大切な人を見送ってた。その気持ちを想像しながら、海を眺めてほしい。

鳥はなくなったけど、景色は健在。っていうか、伊良部島で見た景色の中で、ここが一番綺麗だった。

古い情報に惑わされずに、今のフナウサギバナタを楽しんできてほしい。