伊良部大橋ドライブの現実|海の上を飛ぶ爽快感と、風が怖すぎる理由

伊良部大橋ドライブ 観光

軽自動車で風に煽られて「マジで怖い」と思った日

レンタカーの軽自動車で伊良部大橋を渡ったとき、私はハンドルを握る手に力が入りすぎて、あとから手のひらが痛くなった。

宮古島に移住して3年目の春。友人が遊びに来て、「伊良部大橋って絶景なんでしょ?」と言うから、軽自動車を借りて案内することにした。天気は快晴。風も「普通に吹いてるな」くらいに思ってた。甘かった。

橋に入って中央の盛り上がった部分に差し掛かったとき、突然、横からドンっと風に押された。ハンドルが勝手に右に切れようとする。慌てて戻すと、今度は逆に左に流される。後部座席の友人は「えっ、大丈夫?」って声が上ずってる。

「これ、マジで怖いやつだ」

そう気づいたときには遅くて、橋はまだ半分も渡ってない。引き返せるわけもなく、時速40キロくらいまで落として、ひたすら真っすぐ走ることだけに集中した。

伊良部大橋は確かに絶景。海の上を飛んでいるような爽快感も本物。でも、風が強い日に軽自動車で渡るのは、正直めちゃくちゃ怖い。

この記事では、伊良部大橋ドライブの「感動」と「注意点」の両方を、実体験ベースで書いていく。風の怖さを知った上で渡れば、最高のドライブになる。逆に何も知らずに渡ると、私みたいに手のひらが痛くなる。

伊良部大橋とは?全長3,540mの日本最長無料橋

伊良部大橋は、宮古島と伊良部島を結ぶ橋。2015年1月31日に開通した。

全長は3,540m。無料で渡れる橋としては日本最長。ちなみに「3,540m(さんごのしま)」っていう語呂合わせで設計されたらしい。こういう粋な計らい、好き。

伊良部大橋ドライブ 海の上を飛んでいるような爽快感

橋ができる前は、伊良部島に行くにはフェリーに乗るしかなかった。天候が悪いとフェリーが欠航して、島民は宮古島の病院にも行けなくなる。伊良部島民の悲願だったこの橋、着工から開通まで10年近くかかってる。

宮古空港から車で約15分。宮古島の中心地・平良(ひらら)から橋に向かうと、遠くからでも海の上にスーッと伸びる橋が見えてくる。初めて見たときは「うわ、長っ!」って声が出た。

橋の途中、中央部分が山なりに高くなってる。これは下を船が通れるようにするため。多良間島行きのフェリーが、この橋の下を通過する。だから橋を渡ってると、上って下ってっていう感覚がある。

この「上って下って」が、実は爽快感の正体だったりする。

伊良部大橋の全景を遠くから眺める

橋の入口、宮古島側には「伊良部大橋」って書かれた石碑がある。ここに駐車場があって、橋を渡る前に写真を撮れる。みんなここで記念撮影してから橋に入っていく。

伊良部島側にも「いらぶ大橋 海の駅」っていう施設がある。お土産屋とレストランがあって、2階からは伊良部大橋を一望できる。橋を渡り終えたら、ここで休憩するのがおすすめ。

開通から10年近く経った今も、伊良部大橋は宮古島観光の目玉スポット。レンタカー屋さんでも「伊良部大橋は絶対行ってください!」って必ず言われる。それくらい、外せない場所。

「海の上を飛んでいる」感覚の正体

伊良部大橋を渡ると、本当に「海の上を飛んでいる」って感覚になる。これは誇張じゃない。

橋の両側に広がるのは、宮古ブルーと呼ばれる透き通った海。エメラルドグリーンとコバルトブルーのグラデーション。深さによって色が変わる。浅いところは明るい水色、深いところは濃い青。

橋の中央部分、一番高いところは海面から約33メートル。ビルでいうと10階建てくらいの高さ。ここから見下ろす海は、もう「空を飛んでる」としか言いようがない。

特に絶景なのは、伊良部島から宮古島に向かうとき。中央の盛り上がった部分を下っていくとき、目の前に海と空が広がって、そのまま空にダイブしていくような感覚になる。晴れてる日は、本気で叫びたくなる。

私が初めて渡ったのは昼過ぎだったんだけど、太陽が真上にあると海の色がめちゃくちゃ鮮やか。逆光にならないから、海の透明感がはっきり見える。午前中から昼過ぎまでが、一番綺麗に見える時間帯だと思う。

夕方もいい。夕日が沈む時間帯に宮古島から伊良部島に向かうと、海がオレンジ色に染まって、橋がシルエットになる。ロマンチックな雰囲気になるから、カップルにはおすすめ。

ただし夕方以降は要注意。橋には街灯がほとんどない。日が沈むと、マジで真っ暗になる。対向車のライトしか見えなくて、海も空も何も見えなくなる。景色を楽しむなら、日中のうちに渡っておいたほうがいい。

爽快感だけで言えば、オープンカーで渡るのが最高らしい。レンタカー屋さんで「オープンカーありますよ」って勧められたことがある。風を全身で感じながら、海の上を走る。考えただけでも気持ちよさそう。

でも、オープンカーだと風をモロに受けるから、それはそれで怖いかもしれない。

風が強すぎて怖い|軽自動車は特に注意

伊良部大橋、マジで風が強い。

宮古島自体が風の強い土地なんだけど、伊良部大橋は特別。周りに何もない海の上だから、遮るものが一切ない。台風が通りやすい地域でもあるから、設計時の基準風速は秒速82.2メートルに設定されてる。これ、時速にすると約300キロ。新幹線より速い。

普段は風速10m/s前後。数字だけ見ると「そんなもんか」って思うかもしれないけど、風速10m/sって「傘がさしにくい」レベル。橋の上だと、体感はもっと強い。

私が軽自動車で怖い思いをしたのは、風速15m/sくらいの日だったと思う。天気予報で「風がやや強い」って出てたけど、「まあ大丈夫でしょ」って甘く見てた。

軽自動車は車体が軽くて背が高い。特に軽ワゴン車とか軽バンは、横風をモロに受ける。橋の中央部分で横風に煽られると、ハンドルがガクンって持っていかれる。慣れてない人だと、パニックになる。

地元の人に聞いたら、「台風前後は普通車でも怖い」って言ってた。風が前から吹いてるときは、アクセル踏んでも全然進まない。逆に後ろから吹いてると、下り坂でスピードが出すぎて危ない。一番危ないのは横からの風。車が横に流されそうになる。

伊良部大橋ドライブ 強風でハンドルを必死に握る

実際、台風のときは橋が通行止めになる。暴風警報が発令されて、風速25m/s以上になると、県の職員が橋の両端にゲートを設置して封鎖する。約2時間前にはアナウンスが入るから、台風が近づいてるときは早めに橋を渡っておくか、渡らないかを判断したほうがいい。

風が強い日の対策としては:

車速を落とすのが一番効果的。時速40~50キロくらいまで落とす。遅いって思うかもしれないけど、安全第一。後ろから煽られても気にしない。地元の人はみんなゆっくり走ってる。

ハンドルをしっかり握って、真っすぐ前を見る。風に煽られても、慌ててハンドルを切らない。車は基本的に真っすぐ走るように設計されてるから、ハンドルを支えてるだけで勝手に戻る。下手にハンドルを切ると、逆に危ない。

軽自動車は避ける。これが一番確実。レンタカー借りるとき、軽自動車のほうが安いからって選びがちだけど、伊良部大橋を渡るなら普通車にしたほうがいい。特に風が強そうな日は。

私は今、軽自動車では絶対に橋を渡らない。あの恐怖、もう一度味わいたくない。

橋の上は駐停車禁止なのに、路側帯が混雑する理由

伊良部大橋、橋の上は駐停車禁止。

伊良部大橋ドライブ 駐車禁止

なのに実際は、橋の中央部分の路側帯に車が列をなして停まってる。レンタカーもタクシーも観光バスも。みんな車を降りて、写真をバシバシ撮ってる。

これ、完全に違反。でも看板があるわけじゃないし、取り締まりもされてない。だから「みんな停まってるから大丈夫でしょ」って感覚になる。無法地帯。

私も最初は「なんで停まってんの?」って思ってたけど、理由はわかる。橋の上から見る景色、マジで綺麗なんだよね。特に中央の一番高いところ。360度海に囲まれて、宮古ブルーが広がってる。写真撮りたくなる気持ちはわかる。

でも危ない。

伊良部大橋には歩道がない。あるのは、ガードレールもない路側帯だけ。白線が引いてあるだけ。車道と同じ高さ。車を停めて降りると、脇をレンタカーがビュンビュン通り過ぎていく。風が強い日は、車のドアが風で煽られて勝手に開く。

転落事故も起きてる。2017年9月、橋の中央部分から男性が転落して亡くなった。友人とふざけて欄干を乗り越えようとして、足を滑らせたらしい。高さ33メートルから転落したら、助からない。

路側帯に車を停めると、後続車が詰まる。橋は片側一車線だから、追い越しもできない。ただでさえ風が強くて神経使うのに、前に停まってる車があると、もっと危ない。

観光シーズン、特にゴールデンウィークや夏休みは、路側帯が混雑する。車が5~6台連なって停まってることもある。そうなると、橋を渡るのに10分以上かかる。地元の人は迷惑してる。

実際、橋の上で停まってるのを見つかって、警察に注意された人もいるらしい。違反は違反だから、見つかったら文句は言えない。

じゃあどこで写真撮ればいいのか。

橋の両端の駐車場を使えばいい。宮古島側の入口と、伊良部島側の「いらぶ大橋 海の駅」。どっちにも駐車場がある。橋の全景を撮るなら、宮古島側の駐車場からが一番綺麗。

橋の上からの景色が撮りたいなら、徒歩か自転車で渡る。片道約3.5キロだから、歩くと1時間くらいかかる。自転車なら15~20分。途中で立ち止まって、好きなだけ写真を撮れる。

ただし、路側帯を歩くのもそれなりに危ない。ガードレールないから、車との距離が近い。風が強い日は、自転車だとふらついて危険。実際、自転車で渡るのはおすすめしないって地元の人は言ってた。

結局、一番安全なのは、車で景色を楽しみながら渡って、写真は駐車場で撮る。これに尽きる。

それでも伊良部大橋を渡るべき理由

風が怖い、駐停車禁止、事故のリスク。ここまで読んで、「伊良部大橋、怖そう…」って思ったかもしれない。

でも、それでも渡ってほしい。

伊良部大橋を渡らずに宮古島から帰るのは、マジでもったいない。

理由は単純。絶景だから。

宮古島には綺麗なビーチがたくさんある。与那覇前浜、砂山ビーチ、新城海岸。どこも素晴らしい。でも、伊良部大橋から見る海は、ビーチから見る海とは違う。

全長3.5キロ、ずっと海の上。360度、海と空だけ。こんな体験、他じゃできない。

橋を渡ってる間、ずっと「うわーっ」って声が出る。同乗者と「綺麗だね」「ヤバいね」って言い合う。それくらい、圧倒的。

伊良部島に渡れば、17ENDや渡口の浜、佐和田の浜、通り池とか、見どころがたくさんある。伊良部大橋を渡らないと、これらのスポットに行けない。伊良部島を観光しないのは、宮古島旅行の半分を捨ててるようなもの。

橋を渡りきって伊良部島側で安堵の表情

それに、風が強い日ばかりじゃない。

風が穏やかな日もある。そういう日は、もう最高。風を気にせず、ゆっくり景色を楽しめる。海の色がはっきり見えて、空も青くて、気持ちいい。

私も何度も渡ってるけど、風が穏やかだった日のほうが多い。最初の軽自動車事件があったから、風に対して敏感になってるだけで、普通に渡れる日のほうが断然多い。

それに、怖さも含めて、伊良部大橋の魅力だと思う。

ちょっとしたスリル。風に煽られて、ドキッとする瞬間。ハンドルをしっかり握って、集中して運転する緊張感。これも含めて、伊良部大橋の体験。

無事に渡り終えたときの達成感もある。「よし、渡りきった!」って安堵する瞬間。伊良部島側の駐車場に車を停めて、振り返って橋を見たとき、「あの橋、渡ってきたんだ」って実感する。

伊良部大橋は、ただの移動手段じゃない。それ自体が、観光スポット。体験型のアトラクション。だから、怖さを知った上で、準備して渡れば、最高の思い出になる。

安全に楽しむための7つの準備

伊良部大橋を安全に、そして最大限楽しむために、私が実際にやってる準備を7つ紹介する。

1. 天気予報と風速をチェック

出発前に必ず確認。風速15m/s以上の予報が出てたら、渡るのを別の日に変えるか、覚悟を決める。風速10m/s以下なら、普通車なら問題なく渡れる。

宮古島の天気は変わりやすい。朝は晴れてても、昼から風が強くなることもある。橋を渡る時間帯の予報を確認しておく。

2. 普通車を選ぶ

レンタカーを借りるとき、軽自動車より普通車。コンパクトカーでもいい。とにかく、軽ワゴン車は避ける。

値段は少し高くなるけど、安全には代えられない。伊良部大橋だけじゃなくて、宮古島全体が風の強い土地だから、旅行中ずっと普通車のほうが安心。

3. 時速40~50キロで走る

橋の制限速度は時速40キロ。これを守る。景色を楽しみながら、ゆっくり走る。後ろから煽られても無視。地元の人は慣れてるから、みんなゆっくり走ってる。

風が強い日は、さらに速度を落としてもいい。時速30キロでも大丈夫。安全第一。

4. 両手でハンドルをしっかり握る

片手運転は厳禁。両手で10時10分の位置をしっかり握る。風に煽られても、慌てない。ハンドルを支えてるだけで、車は勝手に戻る。

視線は遠くに。目の前じゃなくて、橋の先を見る。そうすると、真っすぐ走りやすい。

5. 橋の上では停まらない

絶景だけど、停まらない。駐停車禁止だし、危ない。写真は駐車場で撮る。

もし前の車が停まってたら、安全な距離を保ってゆっくり追い越す。追い越すときも慌てない。

6. 同乗者と話しすぎない

景色を見て「綺麗!」って盛り上がるのはいいけど、運転手の集中を切らさない。特に風が強い日は、運転に集中させてあげる。

助手席の人は、風の状況を伝えてあげるといい。「ちょっと風強くなってきたね」とか。

7. 夕方以降は避ける

日が沈むと、橋は真っ暗になる。街灯がほとんどないから、対向車のライトしか見えない。景色も楽しめない。

できれば午前中から昼過ぎまでに渡る。海の色も一番綺麗に見える時間帯だし、夕方より風も穏やか。

この7つを守れば、伊良部大橋は怖くない。むしろ、最高のドライブスポット。風を侮らず、しっかり準備して渡れば、一生の思い出になる。

よくある質問(FAQ)

Q1. 伊良部大橋を渡るのに料金はかかる?

かからない。完全無料。何度渡っても0円。

これが伊良部大橋のすごいところ。全長3,540mもある日本最長の橋なのに、無料。本州四国連絡橋とか、他の長い橋は有料が多いから、伊良部大橋は本当にありがたい。

Q2. 橋の上でトイレに行きたくなったらどうする?

我慢するしかない。橋にはトイレがない。

だから橋を渡る前に、必ずトイレに行っておく。宮古島側なら「橋の駅んみゃーち」、伊良部島側なら「いらぶ大橋 海の駅」にトイレがある。

Q3. 自転車で渡れる?

渡れるけど、おすすめしない。

路側帯を走ることになるから、車との距離が近い。ガードレールもない。風が強い日は、ふらついて危険。

どうしても自転車で渡りたいなら、風が穏やかな日の午前中。橋の中央部分の上り坂は急勾配だから、自転車を降りて押して歩いたほうがいい。

Q4. 歩いて渡れる?所要時間は?

渡れる。片道1時間くらい。

途中で写真を撮ったりすると、もっとかかる。夏場は暑いから、熱中症に注意。帽子と水は必須。

夜間は街灯がないから、おすすめしない。日中に渡るなら、景色を楽しみながらゆっくり歩ける。

Q5. 台風のときはどうなる?

通行止めになる。

暴風警報が発令されて、風速25m/s以上になると、橋の両端にゲートが設置されて封鎖される。約2時間前にアナウンスが入る。

台風が近づいてるときは、早めに橋を渡っておくか、渡らないかを決める。橋が封鎖されると、伊良部島と宮古島の行き来ができなくなる。

Q6. 一番綺麗に見える時間帯は?

午前中から昼過ぎ。

太陽が真上にあると、海の色がはっきり見える。逆光にならないから、透明感がよくわかる。

夕方の夕日もいいけど、日が沈むと真っ暗になるから、景色を楽しむなら日中がおすすめ。

Q7. レンタカーは何がおすすめ?

普通車。軽自動車は避ける。

風に煽られにくいから、安全に渡れる。コンパクトカーでもいいけど、できればセダンタイプのほうが安定してる。

オープンカーは景色を楽しむには最高だけど、風を直接受けるから、風が強い日は逆に怖いかもしれない。

風を侮らず、最高のドライブを

伊良部大橋は、宮古島旅行で絶対に外せないスポット。

海の上を飛んでいるような爽快感、360度に広がる宮古ブルー、橋の中央から見下ろす透明な海。この体験は、伊良部大橋でしかできない。

I💛伊良部大橋ドライブ

でも、風を侮っちゃいけない。

軽自動車で風に煽られたときの恐怖は、今でも忘れられない。ハンドルを握る手に力が入りすぎて、手のひらが痛くなった。でもそれも含めて、伊良部大橋の体験だった。

風が怖い、駐停車禁止、事故のリスク。確かにある。でも、しっかり準備すれば大丈夫。天気予報を確認して、普通車を選んで、ゆっくり走る。それだけで、安全に渡れる。

伊良部大橋を渡らずに宮古島から帰るのは、マジでもったいない。

怖さを知った上で、準備して渡れば、最高の思い出になる。橋を渡りきったときの達成感、伊良部島側から振り返って見る橋の姿、そして伊良部島で待ってる絶景。

風を侮らず、でも恐れすぎず。伊良部大橋を、楽しんでほしい。